日比谷尚武の広報相談室by kipples
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2026年3月22日日比谷尚武

「広報相談室」βテスト、6日間の現場レポート。

先日公開した「日比谷尚武の広報相談室」、想像以上にたくさんの方に触っていただけているようで、少し驚きつつも、どこか「やっぱりな」という感覚もあります。

βテストを開始してから今日までの6日間で、130名の方に利用いただきました。総質問数は569件。なかには一人で78回も問いかけてくれた猛者もいて、もはや僕の分身とディープな対話を繰り広げている様子が目に浮かびます。

なぜこんなものを作ったのか、その背景にある僕の「戦略的なお節介」の思想と、見えてきた現場のリアルについて、少し整理しておこうと思います。

1. 現場には「誰にも言えない」切実な悩みが溢れている

今回、寄せられた相談を眺めていて改めて感じたのは、広報という仕事の「孤独さ」です。教科書的な「広報の正解」を読んでも解決しない、非常に泥臭くて、当事者にとっては切実な問題が並んでいました。

特に印象的だったのは、「マーケティング部門が勝手にリリースを出してしまう。どうやってコミュニケーションをとればいい?」という悩み。これ、組織の力学や人間関係の機微が絡む話で、まさに僕が向き合っている「広報=態度変容」の縮図だなと感じました。広報は単なる露出獲得のツールではなく、社内の「空気」や「期待値」を設計する仕事なんですよね。

6日間の利用データ

130名ユニークユーザー
569件総質問数
4.4件1人平均質問数
76%高評価率
  • 1回のみ利用:40名(31%)/ 5回以上利用:32名(25%)
  • 約7割のユーザーが2回以上質問を重ねている
  • 最多利用者は78件の質問を投げかけた

1回きりの「お試し」で終わらず、7割近い方が継続的に問いを重ねている点は、この試行錯誤のプロセス自体に価値があるのかも。76%という評価を一つの基準としつつ、残りの24%にある「届かなかった違和感」を、今後の精度向上への材料にしたい。

相談内容のポートフォリオ

寄せられた質問をカテゴリー分けすると、面白い傾向が見えてきました。

  • 1位:プレスリリースの書き方(約20%)——具体的な「型」を求める声
  • 2位:スタートアップのPR戦略(約20%)——ゼロイチのフェーズでの迷い
  • 3位:メディアへのアプローチ方法(14%)——「届かない」という壁への突破口
  • 4位:広報担当者として最初にやること(13%)——何を捨てて、何に集中すべきか
  • 5位:炎上対応(8%)——守りの広報・リスクの許容

上位5つのカテゴリで全体の約75%を占めています。でも、僕が本当に面白いと思うのは、残りの25%に含まれる「地方の工務店がカンブリア宮殿に挑むには?」といった、一見無謀に見える、けれど熱量のある「異端(Heretics)」な問いかけだったりします。

2. AI日比谷は、現場でどう答えているのか?

「AIがどこまで使い物になるのか?」と気になる方もいると思うので、実際のやり取りを一つ紹介します。

問い:自社サービスのUSPをどうやって見つけたらよいか?

USP探しって、意外と自社を見つめすぎるから迷うんですよ。大切なのは「相手の視点」に立つことです。

具体的には、競合と自社を並べて、顧客がどう選んでいるのかを観察することから始めるといい。営業現場での商談理由、採用面接での志望動機、カスタマーサポートへの問い合わせ内容——こういう「選ばれた理由」の中に、実は本当のUSPが隠れています。

あともう一つ。「機能」でなく「その先」を考えてみてください。セールスフォースは「CRM」じゃなく「顧客との関係性を変える」ことを売ってますよね。Sansanも「名刺管理」から「営業DXのパートナー」へ言い換えた。

機能では埋もれるけど、その機能で顧客の何が変わるのかを語ると、USPが見えてくることが多いです。

まずは、営業チームに「なぜお客さんは僕たちを選んでくれるんだろう」と聞いてみては?

……手前味噌ですが、僕が憑依しているような、いい感じの「お節介」具合です。

3. 期待値を盛りすぎない、けれど「体温」は残したい

今回のAI相談室は、僕が持っている過去の登壇資料や記事、あるいは僕自身の「思考特性」を学習させています。

高評価率が76%という数字を見て、少しホッとしています。一方で、12件の「👎」も大切にしたい。AIは完璧ではありません。でも、深夜に一人で悩んでいるとき、あるいは会議の直前に一点突破のアイデアが欲しいとき、僕の「分身」が隣に座って、一緒に考えを整理する。そんな「共犯者」としての役割が少しでも果たせているのなら、作った甲斐があったというものです。

僕は常々、「Why > How」だと言っています。ツールの前に、まず設計図を。「年間計画をどう立てればいい?」という問いに対しても、イベントのスケジュールを追いかけるのではなく「獲得したい認知」から逆算する。この視点を持つだけで、広報の生存率はぐっと上がるはずです。

皆さんなら、このAIに何をぶつけますか?

広報の現場は、今日も正解のない問いで溢れています。「AIに壁打ちして解決する悩み」と「最後は人間がわざわざ足を運んで、空気を感じて決めるべきこと(現地主義)」。この境界線を探るプロセス自体が、僕にとっては最高の「人間理解の筋トレ」になっています。

まだ触っていない方は、ぜひ僕の分身に意地悪な質問でも投げてみてください。

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